2008/06/27

ゴヤの「巨人」は弟子の作品?・・・を読んで


 【スペインからの報道によると、マドリードのプラド美術館の専門家らは26日、スペインの画家ゴヤ(1746-1828年)の作品とされてきた同美術館所蔵の「巨人」は、実際にはゴヤの弟子が描いた作品とみられるとの見解を発表した。
 ゴヤは近代絵画の創始者の1人とされ、逃げ惑う人々や動物の上に力強い男性の裸体を描いた「巨人」はゴヤの代表作に数えられてきた。
 しかし専門家らは、ゴヤは人物や動物を極めて入念に描くことで知られているが、「巨人」ではウマやウシなどの描き方が中途半端だと指摘。またエックス線で分析したところ、完成時の構図には反映されていない複数の下書きが見つかったという。
 専門家らは「ゴヤは絵画を描く際、決してためらうことがなく、自分が何を描こうとしているのかをよく知っていた」として、こうした下書きはゴヤらしくないとの見方を示した。(共同)】
・・・スペインの宮廷画家としてのゴヤの作品とはひと味違った作品がこの「巨人」だ。ゴヤが聴力を失ってから描かれた代表作として今まで世界に報道されてきたが、その代表作に疑問符が付けられた。これが真実なのかも知れない。「巨人」は今までのゴヤの作品の発想とあまりにもかけ離れているからだ。

2008/06/26

モネの「睡蓮」に86億円=英・・・を読んで


【ロンドンの大手競売商クリスティーズで24日、フランスの画家クロード・モネの「睡蓮」(1919年)が競売に付され、4090万ポンド(約86億円)で落札された。モネの作品としてはこれまでで最高値(23日)】・・・モネの「睡蓮」はパリのオランジュリー美術館で何度も見ているが、見るたびに新たな感動を呼び起こすすばらしい作品だ。日本画の主題としてもぴったりで日本人好みの作品でもある。確かモネは、この「睡蓮」シリーズを描き出した頃は目の病気が悪化して、手探りでこの絵を描いていたということを何かの本で読んだことがある。きっとモネは常人にはない心の目で描いたに違いない。このモネの「睡蓮」シリーズをヒントにして日本画で描いている画家がいるが、考えものだ。